レコンキスタは何世紀の何時代に行われたの?

レコンキスタは、8世紀(711年)から15世紀(1492年)までの約800年間にわたって行われました。この期間は非常に長いため、時代区分としては中世を中心に、中世前期から近世初期にかけての出来事と言えます。では、レコンキスタが行われた各時代を詳しく見ていきましょう。

 

 

中世前期(5世紀から10世紀)

レコンキスタの始まりは、西ヨーロッパにおける中世前期にあたります。

 

711年:レコンキスタの発端

この時代、イベリア半島では西ゴート王国が支配を続けていましたが、711年にウマイヤ朝のイスラーム勢力が侵攻し、グアダレーテの戦いで西ゴート王ロデリックが敗死。これにより、イベリア半島の大部分がイスラーム勢力の支配下に置かれました。

 

キリスト教勢力の抵抗

イスラーム勢力に追われたキリスト教徒は、北部のアストゥリアス王国(718年建国)を拠点に、奪われた土地を取り戻す戦いを開始しました。これが、レコンキスタの始まりとされています。

 

中世盛期~後期(11世紀~15世紀)

レコンキスタの大部分は中世盛期(11~13世紀)中世後期(14~15世紀頃)にあたり、この時期に本格化しました。

 

封建社会とレコンキスタ(11世紀~13世紀)

ヨーロッパは封建制度の時代であり、キリスト教諸国は貴族や騎士の軍事力を活用してイスラーム勢力と戦いました。

 

各世紀の出来事
  • 11世紀:キリスト教勢力が反撃を開始(トレド奪還・1085年)
  • 12世紀:ムワッヒド朝の介入により、一時的にレコンキスタが停滞
  • 13世紀:キリスト教勢力がコルドバ(1236年)、セビリア(1248年)を奪還

 

 

中世末期(14世紀~15世紀)

この頃になると、キリスト教勢力が圧倒的優位となり、レコンキスタは最終段階に入りました。

 

レコンキスタ終盤の動き
  • ナスル朝グラナダ王国(1238年 - 1492年)がキリスト教勢力に朝貢しながら存続
  • カスティーリャとアラゴンの統一(1479年)により、強大なスペイン王国が誕生
  • 1492年、グラナダ陥落——レコンキスタが完了

 

近世初期(15世紀末~16世紀初頭)

レコンキスタの完了(1492年)は、中世の終わりであり、ヨーロッパが近世へと移行する重要な転換点となりました。

 

大航海時代の幕開け

1492年は、レコンキスタが完了した年であると同時に、コロンブスのアメリカ到達の年でもあります。スペインはレコンキスタの勢いのまま、海外進出へと乗り出し、近世ヨーロッパの世界帝国として成長していきました。

 

統一国家スペインの誕生

カトリック両王による統治のもと、中央集権的な国家が形成され、スペインは強大な王国となりました。これにより、ヨーロッパの政治体制は封建制から近代国家へと変化していきました。

 

このように、レコンキスタは中世前期(8世紀)に始まり、中世盛期~後期(11世紀~15世紀)に本格化し、近世初期(15世紀末)に完了しました。その結果、スペインが強大な統一国家となり、大航海時代が始まるなど、世界史に大きな影響を与えたのです。