
レコンキスタの約800年にわたる歴史の中で、キリスト教勢力はイスラーム勢力から少しずつ重要な都市を奪還していきました。その都市一つひとつが、レコンキスタの進展を象徴する大きな節目だったのです。ここでは、レコンキスタによって陥落した主要な都市を時系列で見ていきましょう。
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アストゥリアス王国のペラーヨがイスラーム軍に勝利したコバドンガの戦いによって、キリスト教勢力による最初の反攻が始まりました。この戦いは都市の奪還というより反乱の始点でしたが、レコンキスタの象徴的な出発点とされています。
この時代、キリスト教勢力は北部の山岳地帯を中心に拠点都市を確保しました。
レオン王国が成立し、レオンの町がキリスト教側の重要な拠点となります。
カスティーリャ辺境伯によってブルゴスが防衛拠点として建設され、カスティーリャ王国の中核都市として発展していきました。
現在のポルトガル中部に位置するコインブラがキリスト教軍に奪還され、ポルトガル王国成立への足がかりとなりました。
キリスト教勢力によってサラマンカが奪還され、以後カスティーリャ王国の重要な都市となりました。
アラゴン王アルフォンソ1世がサラゴサを占領。アラゴン王国の大きな領土拡張となり、東部戦線の転機を象徴します。
少し遡りますが、特に重要な都市としてトレドの奪還は欠かせません。カスティーリャ王アルフォンソ6世によって占領され、イベリア中央部支配の要となります。
この時代、レコンキスタは一気に進展し、イベリア半島の大部分がキリスト教勢力の支配下に戻りました。
アラゴン王ハイメ1世がバレンシアを攻略し、地中海沿岸の支配を確立しました。
カスティーリャ王フェルナンド3世によってコルドバが奪還され、アル=アンダルスの政治・文化の中心地だったこの都市の陥落は、イスラーム勢力に大きな打撃となりました。
フェルナンド3世によってセビリアも陥落。グアダルキビール川沿いの交通・経済の中心を奪取したことで、南部のイスラーム勢力はほぼ一掃されました。
カスティーリャ王国がムルシアを併合し、東南部まで勢力を拡大。
カトリック両王の軍によってマラガが陥落。これによりナスル朝グラナダ王国は事実上、包囲される形となります。
アルメリアもキリスト教軍によって征服され、グラナダ王国の海への出口が失われました。
そしてついに1492年、カトリック両王の軍がグラナダを陥落させ、レコンキスタが完全に完了。ナスル朝の滅亡とともに、イベリア半島最後のイスラーム勢力が消滅しました。
レコンキスタの重要都市陥落の時系列を簡潔にまとめると、以下のようになります。
このように、レコンキスタは一気に進んだ戦いではなく、一つひとつの都市を奪還する長く複雑な過程だったのですね。そして、それぞれの都市が奪還されるたびに、イベリア半島の地図が少しずつ塗り替えられていった様子がよくわかります!