レコンキスタが長期化した原因は何だったの?

「レコンキスタって、なんであんなに長く続いたんだろう?」って不思議に思いますよね。だって始まりが8世紀、終わったのが15世紀ですから、約770年もかかったんです。でも、そこにはちゃんと理由があるんです。今回はレコンキスタが長期化した原因について、一緒に考えてみましょう。

 

 

キリスト教徒同士の対立

実はキリスト教徒の国同士でも争っていたことが、長期化の大きな原因でした。本来なら「イスラム勢力を追い出そう!」と協力すべきなのに、カスティーリャ王国アラゴン王国ナバラ王国などがそれぞれ自分たちの勢力拡大を目指して争っていたんですね。そのため、イスラム勢力と戦うどころか、まずキリスト教徒同士の戦いに力を使ってしまったのです。

 

イスラム勢力の分裂と再統一

一方でイスラム勢力もずっと同じ状態だったわけではありませんでした。たとえば後ウマイヤ朝が強い時代もあれば、イスラム勢力がいくつもの小さな国(タイファ諸王国)に分裂して弱体化する時代もありました。でも、危なくなるとムラービト朝ムワッヒド朝といった新しい勢力が現れて再び強くなることもあったんです。だからキリスト教徒が「いける!」と思った途端にイスラム勢力が盛り返す、というふうに、戦いが長引いてしまったんですね。

 

宗教だけでなく政治の問題

レコンキスタは単に宗教戦争ではありませんでした。実は土地や権力、経済も深く関わっていました。つまり、「神のための戦い」と言いながらも、誰がどの土地を支配するかという現実的な問題が大きかったのです。だから、勝った後の分け前争いも起こり、なかなか一丸となって戦いを進められなかったんですね。

 

地理的な困難

イベリア半島って山が多いんです。とくにキリスト教徒たちが最初に拠点を築いた北部の山岳地帯から南に攻め込むのはとても難しかった。さらに、イスラム勢力が守るグラナダ王国のような場所も、山に囲まれた守りやすい地形だったので、なかなか簡単には攻め落とせなかったわけです。

 

経済力や人口の問題

長く続く戦いにはお金も人も必要ですよね。でも当時のキリスト教勢力もイスラム勢力も、十分な資源がいつもあったわけではありません。時には戦費不足で戦いを中断することもあったし、人口が少なくて兵士を集められない時期もあったんです。だから「戦いたいのに戦えない」ことも、レコンキスタが長引いた原因のひとつだったのです。

 

このようにレコンキスタが長期化した原因には、単なる「戦いが難しかったから」という理由だけじゃなく、キリスト教徒同士の争い、イスラム勢力の復活、土地争いや経済問題、そして地形の厳しさなど、いろんなファクターが重なっていたわけです。だからこそ、レコンキスタはすぐには終わらず、700年以上も続く長い歴史になってしまったんですね。