レコンキスタの歴史の流れをわかりやすく解説!

レコンキスタの歴史・年表

このカテゴリーではレコンキスタの歴史に関する情報をまとめています。約800年にわたる戦いの経緯や重要な出来事、関わった勢力の動向について詳しく探っていきたいと思います。

レコンキスタの歴史の流れをわかりやすく解説!

レコンキスタ(イベリア半島の領土回復運動)は、約800年もの長い時間をかけて進んだ歴史的な戦いです。戦争のように一気に決着がついたわけではなく、時にはキリスト教国が優勢になり、時にはイスラーム勢力が盛り返す、まさに一進一退の攻防が続きました。では、レコンキスタの歴史の流れをわかりやすく解説していきます!

 

 

1. レコンキスタの始まり(8世紀)

イスラーム勢力のイベリア半島征服(711年)

711年、北アフリカのウマイヤ朝(イスラーム王朝)の軍隊が、ジブラルタル海峡を越えてイベリア半島に侵攻しました。当時のイベリア半島は西ゴート王国が支配していましたが、内部抗争で弱体化していたため、わずか数年でほぼ全域がイスラーム勢力に征服されてしまいました。

 

キリスト教徒の抵抗とレコンキスタの発端(718年)

イスラーム勢力に敗れたキリスト教徒の一部は、イベリア半島北部の山岳地帯に逃れます。そして718年、コバドンガの戦いアストゥリアス王国のペラーヨがイスラーム軍を破り、ここからレコンキスタ(国土回復運動)が始まりました。

 

2. キリスト教勢力の成長とイスラーム勢力の分裂(9~11世紀)

キリスト教王国の形成

9世紀~10世紀にかけて、イベリア半島北部ではいくつかのキリスト教王国が成立しました。

  • アストゥリアス王国レオン王国(910年)へ発展
  • ナバラ王国(824年成立)
  • カスティーリャ王国(レオン王国から独立)
  • アラゴン王国(北東部で発展)
  • ポルトガル伯領(後に独立しポルトガル王国へ)

これらの王国が、徐々に南へと攻め込んでいきます。

 

イスラーム勢力の分裂

1031年、後ウマイヤ朝が滅亡すると、イベリア半島のイスラーム勢力は小国(タイファ諸王国)に分裂します。これによって、キリスト教国は攻めやすくなり、レコンキスタが加速しました。

 

3. キリスト教国の反撃とイスラームの巻き返し(11~12世紀)

トレド奪還(1085年)

1085年、カスティーリャ王アルフォンソ6世トレドを奪還。これにより、キリスト教勢力がイベリア半島中央部へ進出しました。

 

ムラービト朝・ムワッヒド朝の介入

このままレコンキスタが進むかと思いきや、北アフリカからムラービト朝(11世紀末)やムワッヒド朝(12世紀)がイベリア半島に軍を送り、キリスト教勢力の進撃を食い止めます。

 

4. レコンキスタの本格化(13世紀)

ナバス・デ・トロサの戦い(1212年)

1212年、キリスト教勢力が連合軍を結成し、ナバス・デ・トロサの戦いムワッヒド朝に大勝。これにより、イスラーム勢力は南部のグラナダ地方まで後退しました。

 

南部の征服

この勝利の後、キリスト教勢力は急速にイベリア半島を支配していきます。

  • 1236年:コルドバ陥落(カスティーリャ王国)
  • 1248年:セビリア陥落(カスティーリャ王国)
  • 1249年:ポルトガルがアルガルヴェ地方を奪還(ポルトガルのレコンキスタ完了)

イスラーム勢力はナスル朝グラナダ王国(1238年成立)として、イベリア半島南部に最後の拠点を残すのみとなります。

 

5. グラナダ戦争とレコンキスタの完了(15世紀)

カスティーリャとアラゴンの統一

1469年、カスティーリャ王国のイザベル1世とアラゴン王国のフェルナンド2世が結婚し、二国が実質的に統一されます。これがスペイン王国誕生の基礎となり、レコンキスタの最終局面へと進みます。

 

グラナダ戦争(1482~1492年)

1482年、スペイン軍がグラナダ王国への総攻撃を開始。1492年1月2日、最後のイスラーム勢力であるナスル朝が降伏し、グラナダが陥落。こうしてレコンキスタは完了しました。

 

まとめ:レコンキスタの歴史の流れ

  • 8世紀:イスラーム勢力がイベリア半島を征服(711年)→ キリスト教勢力の抵抗開始(718年)
  • 9~11世紀:キリスト教王国の成長・イスラーム勢力の分裂(1031年)
  • 11~12世紀:トレド奪還(1085年)→ イスラーム勢力の反撃(ムラービト朝・ムワッヒド朝)
  • 13世紀:キリスト教勢力の大勝利(ナバス・デ・トロサの戦い、1212年)→ イスラーム勢力がグラナダのみ残る
  • 15世紀:カスティーリャとアラゴンの統一(1469年)→ グラナダ陥落(1492年)→ レコンキスタ完了

 

このように、レコンキスタは800年という途方もない時間をかけて進んだ戦いでした。そして、この戦いの終結とともに、スペイン・ポルトガルは世界へ進出する大国へと変貌していったのです!